鉄道関連用語集鉄道車両図鑑ファン基礎講座
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光軸ズレ(こうじくずれ)

光軸ズレは、レンズを透過した光が、設計通りの方向に照射されていない状態を指す光学用語である。
鉄道界隈においては、カメラレンズの光軸ズレと、車両前照灯の光軸ズレが問題とされるため、ここではそれぞれについて説明する。

カメラレンズの光軸ズレ

一眼レフ、コンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラを問わず、カメラの光学系は多数(場合によっては10枚以上)のガラスや蛍石のレンズによって構成されているが、これらが衝撃や接着剤の劣化などによってわずかでもずれると、そこを透過する光の方向にもズレが生じ、ピントが合っている場合でも写真がにじんだように不鮮明となってしまう。

近年のカメラは、写真の1ピクセルに該当する撮像素子(光センサー)のサイズが数μm(千分の1mm)しかないような高い精密性を持つものが一般的であり、レンズについても100分の1mm程ずれるだけで画質に大きな影響を及ぼしうる。
このように高い工作精度が要求されることから、一度ずれが生じてしまったレンズはメーカーまたは専門業者に有償修理を依頼するか、(一眼レフであれば)交換用レンズそのもの買い替えてしまうなどの方法しか確実な解決の手段がないのが実情であり、このようにならないためにも、撮影機材には強い衝撃を加えないことを心がけたい。

前照灯の光軸ズレ

鉄道ファンの間ではあまり一般的ではないが、鉄道車両においても、前照灯の照射方向のズレが問題にとなる場合が存在しうる。

ただし、旧来のハロゲンランプによる鉄道車両用前照灯は、交換頻度こそ高いものの、発光体を内蔵するバルブと、そこから出た光を反射するリフレクターとが一体となった構造のものが主流であるため、前照灯取付時の歪みなどに起因する光軸ズレは自動車のものに比べて発生しづらいようである。
また、LED前照灯については交換作業が車庫内において行われ、交換時には光軸の確認が実施されるため、どちらの場合でも一般の鉄道利用者が光軸ズレした前照灯を目にする機会は極めて少ない。
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