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前位側(ぜんいがわ)
前位側は、鉄道車両において、メンテナンス上「前方」であると定義される方向である。
現代の鉄道車両の多くは、終着駅で方向転換を行わずとも、反対側の
エンドにある運転台に乗務員が移動するだけでそのまま逆方向に進行できる構造となっており、固定された前後の概念は車両に存在しないことがほとんどである。
一方で、各車両は床下機器が両エンドで対称になるよう取り付けられているわけではないため、メンテナンス時には、車両の方向を区別する必要が生じる。
片方のエンドに運転台のある車両であれば、運転台のある側を基準として方向を決定することができるが、中間車や両運転台車ではこの方法では方向を決めることができないため、メンテナンス上、便宜的にどちらかのエンドを「前方」として扱うことが多く、この「前方」を「前位側」と呼ぶのである。
なお、JR西日本で平成以降に導入された車両では、運転台の位置に関わらず、編成全体で前位側が同じ向きになるよう設定されているため、例えば223系や225系では、東海道本線で下り向きとなる先頭車は、運転台とは逆の側が前位側として扱われているなど、運転台の向きと前位側は必ずしも一致しない。
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