鉄道関連用語集鉄道車両図鑑ファン基礎講座
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即上げ(そくあげ)

即上げは、撮り鉄界隈で用いられる俗語である。

まずはじめに、鉄道会社は2種類の列車を運行していることを確認しておく。
1つは、時刻表に記載されている列車、及び、その列車に充当する編成の回送などの「定期列車」であり、もう一つは、特定の検査のときだけなどに運行される回送や、試運転などの「不定期列車」である。

この「不定期列車」のうち撮り鉄に注目されがちなのが、専用の方向幕で運行される試運転である。
試運転は1編成あたり数年に1回しか行われないことが通例であり、在籍編成数の少ない形式では試運転を撮影するチャンスは年に1回あるかないかの頻度となってしまう。
それ故に、試運転が運行されると沿線は多くの撮り鉄で溢れるのである。

しかしながら、いわゆる有名撮影地にも広さに限りがあるため、あまりに多くの撮影者が集まると撮影地はパニック状態となり、満足に撮影できなくなってしまう。
多くの撮り鉄はこれを恐れるため、車庫内での車両の動きなどを観察して翌日に試運転があることを察知しても、SNSで拡散するようなことはしないのである。

だが、そうした撮り鉄も結束のある一枚岩などでは決してない。
車庫を出て走り始めた試運転を真っ先に撮影してSNSで自慢する者が出ることは珍しくなく、他者がそれを止める法的根拠も存在していない。
この場合、数分もすれば各撮影地にはSNSでその写真を見た他の撮り鉄が集まるため、撮影地がパニック状態となることは避けられない。これを嫌う多くの撮り鉄は、この行為を「即上げ」と呼んで蔑むのである。

まとめると、「即上げ」は法的には何ら問題ないが、好意的に受け止められるものではないということである。
ただ、法的に問題がないとはいえ、即上げが行われれば撮影地となる駅には撮り鉄が殺到し、ただでさえ疲労の溜まりやすい駅係員がその対応に追われることになってしまう。個人ブログで公開することなどはともかく、特に、多数のフォロワーを抱えるSNSアカウントでの即上げは現場の係員への思いやりとして自粛すべきであろう。
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