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遅延神(ちえんしん)

遅延神は、乗車電が遅延するジンクスを持つ鉄道ファンの俗称である。

鉄道ファンの中には、どういうわけか、普段乗らない路線に乗るとその路線が遅延や運転見合わせになるというジンクスを持つ者が存在している。
そんな彼らが自虐的に用いる呼称こそ、遅延をもたらす疫病神である「遅延神」なのだ。

ところで、彼ら遅延神が持つ遅延のジンクスは科学的に有意なものなのであろうか?
これは筆者の仮説であるが、おそらく、彼らが遅延に遭遇する確率は一般人よりたしかに高い傾向はあるものの、それは乗車している路線や距離を考えると特別なものではないかもしれない。

と、いうのも、彼らが遅延に遭遇するシチュエーションとして多いのは、遠征や大回りなどで普段乗らない路線を利用した際、それも、JRの路線に乗車する場合であるからだ。

元来、JRの路線は新幹線の収益で赤字を補填されているような閑散線区が多く、そうした路線はもちろん地元住民の足として欠かせないものではあるのだが、列車本数が少ないためにレールのメンテナンス頻度もそれに応じて低くなり、また、コスト面や沿線周辺に作業用自動車の走行に適した道路が少ないことからも頻繁なメンテナンスが困難であるため、そうした路線を長距離に渡って移動すると、どうしても地上設備のトラブルに遭遇する確率が高まってしまうのである。
そして、そのようにしてダイヤ乱れに複数回遭遇した鉄道ファンが、自身が遅延に遭いやすいジンクスがあると考え始めると、あとは認知バイアスによって普段乗っている路線でたまにある遅延もそのジンクスとの関連を疑うようになるといった具合である。

いずれにせよ、遅延神の知り合いと一緒に出かけたときにダイヤ乱れで旅程が破綻したとしても、その知り合いを責めないであげてもらいたい。
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